5月4日(月祝)文学フリマ東京 E-29~30 PIED PIPER (11:00~17:00@東京流通センター
詩と短歌の同人誌『PIED PIPER』を御用意して皆様のお越しをお待ちしております。

マーケティングやパーソナリゼーションによって、自己の唯一無二性が、単なるプロパティ(属性)として計量化・カスタマイズ可能な特殊性と化したが故に、自己の本源的ナルシシズムが簒奪され、自己を愛せない時代。自己を愛せなければひとを愛せない。
自己の唯一無二性を取り戻すために、芸術が特異な感性(感じ方)を宣らすことが必要で、PIED PIPERには特殊性に還元され得ないそうした特異性が屹立していて、個人的に「打ちのめされた」。単なる特殊性ではなく、自己の「かけがえのなさ」を。
存在とは、絶対的に、<共に-複数で-ある>ことだ。それが絶対にわかりあえないという共通の地平で交わされる暴力だとしても、PIED PIPERにはその地平を育む可能性があると自負している。
存在とは、絶対的に、<共に-複数で-ある>ことである。絶対的な孤独・絶望や圧倒的な孤絶・狂気を前にしても、それでも<共に-生きる>ことをぼくらは希求する。微かな、本当に微かな<共生>の希望、<友愛(フィリア)>の希望。祈りとして。<共に-生きる>ことをぼくらは諦めるわけにはいかない。
この本を通じて、真に「共に」いるとはどういうことか、真に「生きる」とはどういうことか、真に「共に生きる」とはどういうことかを、ぼくらと<共に>考えてもらえれば、望外の幸せです。
5月4日、文学フリマ東京@東京流通センター E-29~30 PIED PIPERで、ぼくらは<きみ>をお待ちしております。

<寄稿者紹介>

草間小鳥子(詩)
『てのひらに冒険』ではミクロからマクロまで自在に動く視点が印象的だったが、『誰か』はやさしさと祈りと希望――単なるオプティミズムではなく、数多の絶望に枝打ちされたものだろう、それらが大きなうねりを作り出している

中山みなみ(詩)
日常のなかの作者の視点による発見、それが「遊び」として、軽やかにはつらつに描かれている

主水透(短歌、装幀)
死と生と不穏な空気にざらつくモノトーンな短歌20首連作

山崎修平(詩、短歌)
さらさらと砂がこぼれるようなとりとめのない時間にやさしさと愛しさを注ぐ。そして「たたかう」決意。

吉田友佳(詩、写真)
ノワールで都会的な、残酷な景色をぼくらは幻視する

和合大地(詩)
詩語の尖ったエートスとプラクシスがこちらの喉元にカッターナイフを突きつけているような、そんなイカれたファンタズム

桜井夕也(詩、短歌)

 

2015年4月26日
桜井夕也